今日は、あまり、中学受験とは関係ない国語の話なので、

今日は、あまり、中学受験とは関係ない国語の話なので、

関係ない話だと思われる方は、スキップしてください。

 


「盆土産」三浦哲郎作

東北に住む少年には、出稼ぎに行っている父がいました。

 


東北地方では、産業がないので、お父さんたちは、出稼ぎに行くしかないのです。

出稼ぎに行っても、お父さんたちの仕事は3Kと呼ばれる仕事ばかりです。

土方・どかちん、もしくは、いまなら、ガードマン

 


季節労働者と言われ以前は、農閑期・・・・冬場、米を作っていない時期ですね・・・

だけの仕事でしたが、いいお金になるので、お父さんたちは、

1年中働きに出るようになりました。

 


中学受験に関係ないと思っていましたが、農閑期とかは関係ありますね。

今、もめているTPP交渉も、農業や畜産業にとっては、死活問題です。

お父さんは、年中かえってきません。

 


子供たち家族に仕送りをするには、何日でも働いたほうがいいいし、

帰ると、その分交通費もかかってしまいます。

・・・・

 


お父さんは、お盆に返ってこないはずが、急に帰ってくることになりました。

盆の土産はエビフライです。

 


この作品のテーマは、家族と、貧困。

嘘くさいまで、貧乏が書き込まれています。

急に帰ってくるのは、きっと、東京で嫌なことがあったから・・・。

ピンハネと言って、働いても、

やくざや会社が、間に手数料を取るので、なかなか、お金はたまりませんが、

資本主義とは基本そういうものです。

 


お父さんの楽しみといえば、家族の写真や手紙と、

夜に飲む、焼酎一杯。

 


お父さんは、3日間の、強行スケジュールで帰省しました。

往復に、16時間以上かかるので、

滞在できる時間は、1日半しかありません。

貧乏のおまけに、お母さんまで、ここの家庭は死んでいます。

きっと、貧乏ゆえに、栄養失調・病院にもいけず、

手遅れとなり死んでしまったのでしょう。

 


お父さんも悔いています。

子供に申し訳がなくてなおさら、がんばって働こうとしますが、

学歴も、手に職もないので、どかちん・土木現場で、

安い金で働かされています。

 


本当は、労働基準法では、他人の、労働でお金を稼いではいけないんですが、

お上は何もしないので、搾取し放題です。

お盆の土産は冷凍のエビフライって貧乏すぎるやろ^^

 


でも、東京タワーにしろ、首都高にしろ、

こうしたお父さんたちが、作ってきたんです。

高度成長を支えたのは、こういうお父さんたちです。

建築家でも官僚でもありません。

 


ここのお父さんは、もうはげています。

苦労は髪に出ます。

白髪になったり、禿げたり…

 


好きでなってるわけじゃあ、ありません。

家族のために身を粉にしているから、老けていくんです。

 


家族と離れ、土木建築のプレハブや、

山谷の安宿で、お父さんたちは、ひざを抱えて、暮らしています。

 


文学や演劇の世界にはこういう労働者は、あまり出てきません。

出てくるとしてもこのお父さんのように、概念的です。パターン的です。

 


それは、作家がインテリで、労働なんか一生縁がないので、こういうことになります。

貧乏、母の死・出稼ぎ、東北、これでもかと、不幸のオンパレードで、まるで、時代劇です^^

おばあちゃんには、リアレテイが欠如しています。

父と息子の話で、おばあちゃんと、お姉さんには、

狂言回しとしての役割しかありません。

・・・・・・

 


生徒の中間試験の、国語の課題だったので、ちょっと書いてみました^^

書いていると、結局、中学受験の社会にまんざら、無関係ではないと思いました。

 



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