年齢算と倍数算

年齢算も倍数算の、一種とみてよいでしょう。

年齢も、親子の差は常に等しいわけです。
もし、親の年齢が、子どもの年齢の3倍になったとしたら、
親子の年齢の差が、その中で、2倍分にあたると考えるのが年齢算の普通の解き方です。

例えば、今、子供が8歳とします。親が44歳とすると、何年後に親の年齢は、
子どもの年齢の4倍になるでしょう?という問題があるとします。

年齢の差は36歳です。これは常に変わりません。
年齢の4倍になるということは、この年齢差が、3倍にあたるわけですから、
こどもの年齢は、36÷3=12となります。

これが普通の年齢算の考え方です(解法その①)

ただ、
一番シンプルで誰でもできる方法があります。

ローラー作戦です。
年齢は、人間多くても100歳ですから、調べていけば必ず正解にたどり着きます。
これも一つの算数数学のやりかたです。
一番堅実かもしれません。

こどもが今8歳とし、親が44歳として、しらみつぶしに、順々に考えます。

    1年後   2年後   3年後   4年後
子供  9歳   10歳    11歳    12歳
 親  45歳   46歳    47歳    48歳

となり、誰でも、4年後になるとわかります(解法その②)

ただ、倍数算のやりかたは、混乱する恐れがあるので
方程式をお勧めします。

子供の年齢=8歳+○
親の年齢=44歳+○

とします。
親の年齢が、子どもの4倍になるので

(8歳+○)×4=44歳+○
32歳+○○○○=44歳+○
○○○=12歳
○=4歳
答えは4年後となります(解法その③)

本来、方程式は使わないことを前提に
中学受験の算数は進化してきましたが、
実際は、方程式を使うこともあります。
普通、倍数算年齢算は使いませんが、

こちらの方程式のほうが、楽で間違えにくいので
生徒にはこちらをすすめています。

確かに倍数算の、{差はいつも同じ}
という考え方は、「画期的」ですが、

例えば、子どもが二人いたときとかはしんどいです。
さかのぼる場合もありますし。


ただこれがわかりにくいという生徒には、方程式は薦めません。

倍数算も全く同じです。

お金を兄弟で持っていました。
兄は、1200円、弟は600円でした。
同じだけ使ったら、
最終的には、
兄の所持金は、弟の所持金の、3倍になりました。
いくら使ったのでしょう?

倍数算では、
兄弟の「差」はいつも600円と考えます。
そして、これが、3倍のうちの2倍に相当すると考えて、
600÷2=300円で答えになります。

が、年齢算と同じように
僕は方程式を生徒には薦めます。

兄1200-○
弟600-○

兄が弟の3倍になるから、
1200-○=(600-○)×3
1200-○=1800-○○○

○○=600
○=300円
となります。

倍数算の場合、絵に線分図を描くのが、書きにくいのでこういう処理をすすめています。

もちろん
強制はしません。

生徒がわかりやすいほうを、選びます。

方程式なので
等式の処理がわからない生徒もいますが、
たいていの場合何度かやっているうちに分かります。

これが、まあ、普通にできないと、中学受験の算数はしんどいかもしれません。
経験的には男子は大体理解してくれます。

要するに、この変形は、
抽象的です。
鶴亀の面積図とは違って、
実感がわきません。

速度・割合も実感がわかないので
そういうことが苦手な生徒には、
鬼門かもしれません。

が、倍数算の普通の処理だと、
絵も描きにくいし、ますます、
できない子は混乱するような気が、
経験上します。

実際方程式は、中学の範囲です。
中学受験でやっておくと、
中学の数学はとても簡単に思えます。

僕の生徒で方程式の概念をマスターした子は、
中学では、数学はトップクラスになります。

中学の数学は、方程式で論理的で
中学入試のように、
ややこしい公式がいっぱいあるわけではありません。

たいていの生徒が数学は好きになります。
高校受験の数学では、かなりな成績を取ってきてくれます。
だから、中学受験で失敗しても、
高校受験で成功する子が多いのです。


ただ、方程式の変形がなかなか、
しんどい子は、
中学の数学もしんどいかもしれません。
でも、そういう、まるっきり、文系な生徒は、
大学受験で、文系科目に絞れば、
文系正統派は、
真価を発揮します。

なんたって、私立文系は、
国語社会英語なんですから・・・・^^



▲ページトップに戻る