植木算の「コツ」と「攻略法」

植木算のコツ

植木算には、大きく分けて、3つのパターンがあります。
①普通に、道に植木していくもの
②池の周りや公園の周りで、直線ではなく、縁になっているもの。
③テープをつなぐ際、のりしろがあって、考えるもの。

普通の塾では、公式っぽく教えると思います。
ただ、すぐに忘れてしまいますし、
こう考えてはいかがでしょうか?

例えば、300メートルの道に、
20メートルおきに、植木をするとします。

普通は、300÷20=15+1
で、16本とします。

子供は、マニュアルが好きですから、
ああ、割って1たせばいいんだ
と覚えますが、
3日もすると忘れています。

僕は生徒にこう教えます。

300メートルで、
絵を描かせます。
こうすると、
なぜ一本多くなるのか、わかります。

端が問題なのです。
高校で、数列を学びますが、
ヤッパリ端に苦しみます。
階差数列も、等比数列の和も、
公式がありますが、
端はそれぞれ感がなくてはいけないので、面倒です。

さて、子どもには、絵を描かせ、
慣れてくると、
短いバージョンでやらせます。

300メートルは、長いので、
60メートルでやってみます。

60÷20=3本
のはずが、
4本になっています。

間隔は、3つしかないのですが、
木は4本必要なのは、一目瞭然です。
こうやって、
300メートルも類推していきます。

②③のバージョンも一緒です。

まずは、実際に書かせてみて、
納得させます。

というか、
まず、僕が書きます。
生徒にも書かせて、
最後に、モデルケースをみせます。

レベルの高い子はこれでオッケイで、
普通の子は、モデルケースが無理なら、
何度も300メートルの絵をかかせます。


こうやっておけば、
いつ迷っても思い出せます。
僕も、そういえば、小学生の時は、迷っていたような記憶があります。

「1本たすんだっけ?減らすんだっけ?」


こういう類推の手法は、
確率でよく用いられます。
場合の数や、組み合わせで、
一番オーソドックスな、説明は、
もしくは、やりかたは、
実際に、樹形図を書いていきます。

書いているうちに、
生徒は、規則性、法則を見つけて、
途中で、やりかたにたどり着きます。

算数や数学は、
なんか公式を駆使して
鮮やかに、華麗に
答えにたどり着くと思っている生徒が大半ですが、
実際の科学は、こういう風に、
しらみつぶし、が、王道です。
ローラー作戦です。

高名な数学者岡潔氏によると、
「数学は農業に近い」そうです。

等差数列の和なんかでも、
実際に、初項と、末項をあわせて、
次に、第2項と、末項の一項前を合わせると、
等差数列の和の公式がわかってきます。

例えば、1から10までの数を足すとき
1・2・3・4・5
10・9・8・7・6

と書いて、上下を書いて

いずれも合計が、11になるので

11×5=55となります。

これが、初項と、末項を足して、
項数の、半分で割る、等差数列の公式になります。

マニュアルや、公式に頼っていると、
いつか自分の土台が、崩れてきます


もちろん、とてもできのいい生徒がいて、
公式も、理論もばっちりなら、そして、いつも答えにたどり着けるなら、
こんな、面倒なことはやらなくて結構です。

植木算攻略法!

植木算は、受験算数の必須項目です。
普通の問題集には、公式がこう書かれてあります。

(距離÷間隔)+1

例えば、100メートルの並木道に、4メートル間隔で、桜を植えたら、
100÷4=25本
25本+1=26本が正解となります。

逆に100メートルの道に、26本の桜が植えられていたら、
100÷(26-1)=25
より、間隔は25メートルになります。

これはこれで正しいですが、
これは、マニュアルにすぎません。

この応用編でおなじみの
のりしろの問題もあります。


塾でもこの公式を教えますし、
問題集の答えにもこうのっています。

式だけ見ると、かなり、
固い感じです。

僕が生徒に教えるときは、
この公式を使いません。

公式を使うと、その場はいいのですが、
生徒は、1ひいたり1たしたりする意味が
抜け落ちていって、
いざというとき役に立ちません。

逆比も同じで
なんでもひっくり返すと思っていると、
そのうち、わからなくなります。

なんでもマニュアルに頼っていると、
意味が分からなくなって
立ち往生します。

生徒にはこう教えます。

ノートに、短い距離でシュミレーションしてみよう!

僕はこれを、シュミレーション法と名付けました。
って、今日ですが。
今まで、このやり方を伝授してきましたが、
ネーミングは今日です。

100メートルは長いので、

12メートルにします。
12メートルを、紙に書きましょう。
はい、
間隔が4メートルにしましょう、
棒は何本立っていますか?

2本ですが、
両端にもう2本立っているので
合計は4本になります。
公式では、
12÷4=3
3+1=4本にしますが、

このシュミレーション法をやると、
絵にかくので
こどもは完全に理解します。


同じことが、100メートルになっても起ることが、
こどもにはすぐわかります。

算数の得意な子どもはすぐにわかって
僕の話を聞かなくなって、
ほかの問題をやりたがります。

この説明で、無理な生徒は、
結構しんどいです。

そんな場合は、僕は
100メートルの図を書いてあげます。
こうすれば、すべての子供は、理解します。

シュミレーション法は、
まあ、転移というか、類推みたいなもんですが、
植木算の根本の概念を示しています。

あ、そういえば、
池の周りに植え木を植える問題も、
ありました。
これも、100メートルはやめて、
12メートルとかやってあげれば、
12÷4=3本がそのまま答えになるのが、
すぐにわかります。

このシュミレーション法は、
とてもわかりやすい説明だと思います。
どんな生徒にも実感がわくからです。

ほかの、差集め算とかでも、
生徒の実感を得られれば、
勝ちです。

ただ、塾の先生は、
実感なんか気にしませんから、
公式通りに説明して、
ほとんどの生徒は置いてきぼりです。

中途半端に優秀な生徒も、
その場では
「1ひけばいいんだな、植木算は」
と納得してわかった気になりますが、

あとで考えると、わからなくなってしまいます。
時間がたてばなおさら、意味不明になっていきます。

さらに、高度な問題になると、混乱していきます。


さて、こんな話はあまりしたくありませんが、

生徒にも優秀な生徒とそうでない生徒がいます。
シュミレーション法を説明して、
①すぐに植木算の本質がわかる生徒
②実際に100メートルを書かなければいけない生徒
③100メートルかいたらわかるが、200メートルにすると、わからなくなる生徒
がいます。

もっと優秀な生徒は、シュミレーションしなくてもわかる生徒もいます。
つまり、公式だけで、理解する生徒もいます。

が、経験上
①がかなり優秀な生徒です。
②は、算数はかなり苦手です。
③は、算数は、ほぼだめかもしれません。

もちろん
どんな生徒でも、得意な分野と不得意な分野があります。

したがって、植木算だけではわかりませんが。、
家庭教師をしていると、
大体、説明する前から、
生徒のレベルはわかります。

でも算数が不得意でも、
わかりやすい説明をして、
基礎から押さえていって、
ほかの
教科で、補うという手段もあります。
もしくは、いつも言っていますが、
算数や数学で、勝負しないで
大学で私立文系を目指す手段もあります。


植木算に限らず、
こういう
「端」
が絡む問題は面倒です。

カレンダーの問題でもそうです。
初めの木曜日は
計算に入れるのか、入れないのか、
これもシュミレーション法が威力を発揮します。

したがって、
公式が理解できないからと言って、
算数ができないとは、限りません。

説明が先生が下手な場合もあります。

高校の数学で数列を習いますが、
やっぱり、数列は
特に、
端が大変です。

階差数列なんか、公式は簡単ですが、
結局初項になると、
面倒になります。

初項を入れる入れない、
どれが初項かで、混乱します。

おおむね、
算数や数学が「難しい」
という場合二通りあります。
①考え方が本当に難しい場合
②考え方は簡単だが、
場合分けなどが「面倒」な場合

植木算は、②に当たると思います。

そして、
①の場合は、たいてい計算は簡単に作ってあります。
思いつけば、簡単に点が取れます。
②の場合は、計算が面倒です。

②の典型的な問題は、

高校数学では、絶対値・二次関数の最大や
最少で、定義域つまり、範囲が変わるもの。

です。
ひどい時は、範囲の値が、aとか変数で表されて、
解答者生徒受験生泣かせの問題もあります。


以上、植木算に関して
シュミレーション法をご紹介しました。

塾に行っていると、
塾の
解説解法が正しいと思いがちですが、

そうではない場合も多々あります。

こどもが実感できる
解き方を、
それぞれ教えてあげれば、
算数は好きになりますし、
いらぬストレスも減ります。

僕は、算数の超苦手な生徒もたくさん見てきましたので
その生徒たちでもわかるように、
解法は工夫してきました。

鶴亀算、過不足算などは、
オリジナルに近くて
生徒には好評です。
お子さんができないからと言って
やみくもに、
お子さんをなじったりしないで
どうすれば、
実感を持って、
お子さんが理解できるかを考えてあげてください。

実際、解答見ても
どうか考えても?な解答もありますし、
まれに、
解答自体が間違っている場合もあります。

健闘を祈ります。


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